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活性汚泥処理テストレポート
弊社のテスト法は従来法と異なり、分解速度の変化を重視します。分解速度は、弊社開発のTSchecker(図1参照)を使って測定します。具体的なテスト方法は、目的により異なるので、以下、新規排水が既存の活性汚泥で処理できるかのテスト(新規排水処理テスト)の例で、弊社のテスト法の特徴を説明いたします。


新規排水が既存の活性汚泥で処理できるかどうかの判定は、新規排水を処理することにより
   @汚泥の活性、原水の分解速度が、少なくとも低下しないこと(基準液や原水の分解速度の変化で判断)
   A汚泥が新規排水に馴養すること(新規排水の分解速度の変化で判断)
   B汚泥が増殖すること(MLSSの変化で判断)
    C処理水CODは、新規排水の生分解不可の成分含有量以上に悪化しないこと
を満足することが必要です。これらは、テストにおける種々の運転条件(汚泥の状態、原水の性状、負荷条件、運転操作条件、等々)で影響を受けるので、適切な判定をおこなうためには、それなりのテスト技術が必要になります。

従来のテスト法では、@、Aの分解速度を測定しないで、もっぱら処理水の水質変化で判定を行います。処理水水質は、変化に遅れが生じる上、変化量が緩慢なため、原水の変動や新規排水の阻害性や分解性の影響や運転操作条件の影響などとの関係が不明確になりがちです。その不明確さを統計的にカバーするため、できるだけ多くの項目・回数の原水・処理水分析と、長期間の培養テストが必要になります。(活性汚泥は原水の性状や運転条件などで変化するものなので、安定した状態を保つこと自体かなり難しい操作で、そのこともさらに長期間の培養テストの期間を要する原因となります)

弊社のテスト法は、汚泥の活性変化と原水・新規排水の分解速度の変化を最重要視します。
汚泥が新規排水に馴養できるかどうかは、新規排水の分解速度の変化を測定すれば、容易に定量化できます。新規排水に阻害性があれば、汚泥の活性や原水の分解速度が低下します。これら活性や分解速度の変化は、非常にすみやかに変化します。さらに馴養できるかどうかは、特殊なものを除き、12週間の新規排水の分解速度の変化をみれば定量化できます。活性変化が安定すれば、あとは処理水が安定すれば新規テストは終了するので、例えば従来法では1ヶ月〜2ヶ月を要するテストは、通常はテスト期間は12.5週間程度で判断可能にになります。また、TScheckerによる活性・分解速度の測定以外の測定項目は、従来法の分析項目より少なくて判断できます。

◎もちろん、以下の場合には、長期の培養テストが必要になります。
 @原水を処理していない別の活性汚泥から馴養していく場合・・・汚泥が原水に馴養するまで通常は3週間以上を要します。

 A原水自体に変動が大きく、且つ原水自体の処理性の変化が不明な場合で、原水変動が処理水CODにどう影響するかを見る場合

新規排水の処理性テストでは、新規排水の処理特性自体が不明のことが多く、長期間のテストをおこなうより、短期間で判定し、例えば、処理水
CODが若干悪化する程度であれば、既存の活性汚泥のCOD除去性能アップも含めたテスト(例えば、栄養塩適正化、MLSS条件、pH条件、DO条件など)に切り替えたほうが効率的と考えます。


図1:TSchecker
 ◎廃液の具体的テスト方法
以下、新規排水処理テストを例にとって、標準的なテスト手順を示します。
 @受け入れテストと初期活性測定
テストには、稼働中の既設の活性汚泥混合液(汚泥)と、通常の原水と、新規排水が必要です。テスト試料は、受け入れ分析(MLSS、pH、COD、T-N、T-Pなど)後、汚泥を原水で短期間培養し、汚泥の活性を復活させたのち、その汚泥を使って、TScheckerで、初期の汚泥の活性、原水の分解活性、新規排水の分解速度などを測定します。
図2:初期活性等の測定図
 A簡易毒性テスト
初期活性測定後、新規排水の簡易毒性テストをおこない、新規排水の急性阻害性を測定し、阻害性の程度を把握します。
図3は測定例(左側:阻害なし、右側やや阻害性がある例)です。新規排水と原水の調整試料液を繰り返し添加し、分解速度の変化を測定します。もし、阻害性があれば、添加ごとに分解速度が低下していきます。阻害性がなければ、分解速度は同じになります。TScheckerはDOの変化から分解速度を計算表示します。
活性汚泥には馴養作用があるので、簡易毒性だけで阻害性が判明するわけではありませんが、手間のかかる馴養テストの濃度範囲を絞り込むことが可能です。また、簡易毒性テストは、既存の活性汚泥に、新規排水が突然流入するときなどの過渡的な影響に相当するので、このときに影響が大きすぎれば、工場の操業には支障大となるので、簡易毒性テストだけでNGの判定が可能になります。
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 B培養テスト
簡易毒性テストでの阻害性や、新規排水の流入量などから、培養テストのテスト水準を決定します。
培養期間は通常5日間〜2週間で、活性汚泥の運転状況、新規排水の性状、テスト目的などで、決めます。
弊社のテスト法の培養期間は、従来法のテストより大幅に短くて済みます。簡易毒性テストで、新規排水が阻害性なく分解性のよい排水であれば、処理水水質の変化だけみればOKなので短期間で済み、分解性が悪い場合は、汚泥の馴養時間が必要となるので、比較的長い培養期間が必要となりますが、それでも2週間程度あれば、馴養できるものであれば馴養します。馴養程度はTScheckerによる新規排水の分解速度を測定すれば、明確に定量化できるもので、弊社テスト法の大きな特徴のひとつです。
図4は、弊社の4連の培養テスト機で、コンピュータ制御により、各槽の運転条件をかえて、連続添加培養ができます。
例えば、新規排水が原水量の5%混入する場合の処理テストでは、No.1槽を原水のみで運転し、No.2槽を新規排水/原水=0.05、No.3槽を新規排水/原水=0.10、No.4槽を新規排水/原水=0.15の添加条件として、運転します。
 C培養後、分析
培養処理後、各培養槽の処理水BOD、CODの変化水質や、MLSS測定から汚泥増殖率、などを測定し、各槽の汚泥をTScheckerで、汚泥の活性、原水の分解活性、新規排水の分解性などを測定します。
No.1(比較対照)とNo.2〜No.4(新規排水混入処理)の分解速度を比較することにより、例えば処理水CODが悪化した場合、なぜ悪化したか、新規排水のどの成分がどの程度馴養できたか、等々を定量的に検討可能になります。
図5の例では、比較対照のNo.1(図5上)に対し、No.4(図5下)は、汚泥の活性、原水の分解活性が向上しており、試料廃液の分解速度が著しく大きくなっているので、試料廃液に対し汚泥が馴養し、良好な餌となっていることを示しています。この測定結果は、新規排水が混入しても汚泥には影響なく、活性汚泥に対し負荷オーバーのみ気をつければ処理に支障ないことになります。
図5:TScheckerによる培養後の活性・分解速度変化例
 D解析
TScheckerのよるDO変化データから、「分解速度解析」ソフトで解析すると、新規排水中の成分ごとの分解速度の大きさとBODts(TScheckerによる迅速BOD値)量が計算できます。また、この分解速度解析データを用いて「処理水シミュレーション」ソフトで解析する、負荷の大きさによる処理水BODtsの変化を計算できます。
図6:分解速度解析例(4成分の場合)
図7:処理水シミュレーション解析例
 Dまとめ
培養テスト結果や解析などから、総合的に、新規排水の阻害性、処理の可能性、どの程度まで処理可能か、など、テスト目的に沿った考察を行います。報告書には、テストの経過、水質測定データ、TScheckerの詳細データ、解析データなどを添付し、テスト項目ごとに特記事項をコメントし、結論に至る過程を記述します。
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