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測定原理

 1.測定の原理
1-1.基本原理
はじめに本方法の原理について以下に解説します。
曝気槽内の混合液をサンプリングして本方法の曝気装置で曝気していくと廃水中の溶存酸素濃度DOは曝気経過時間tとともに上昇していくが、その変化は(1)式で表されます。
ここに
  DOsatは飽和溶存酸素濃度[mg/l]
  DOは曝気槽内溶存酸素濃度[mg/l]
  KLaは総括物質移動係数[1/min]
  ASactは活性汚泥が呼吸で使う酸素消費速度[mg/l/min]
  BODactは活性汚泥がBOD成分の分解で使う酸素消費速度[mg/l/min]
です。
(1)式右辺第1項は曝気装置からの酸素供給速度であり、第2項は活性汚泥が呼吸およびBODの分解で使う酸素消費速度です。
ASactは汚泥の基礎代謝呼吸による酸素の消費速度です。基礎代謝呼吸なのでBOD成分とは直接無関係で短時間内ではほとんど一定です。ASactは概ねDO値が0.5mg/l以上あれば、ASactはDO値に無関係に一定であることが知られており、またこのことはBOD成分がほとんど0mg/lの混合液を酸素の供給を断った状態で溶存酸素濃度が高い状態からDOの変化を測定すると直線状に減少していくことで容易に実証できます。
BODactは汚泥がBOD成分を分解しているときに使う酸素の消費速度です。BODactは汚泥がその物質に馴化しているかどうか、汚泥の状態、水温、pH、塩濃度等の棲息環境などで変化します。微生物がBOD成分を分解する場合、反応はBOD成分に対応した酵素等によりおこなわれ、その成分ごとに固有の反応速度を示します。一般に有機物が微生物により最終的に水と炭酸ガスに分解される過程では、いくつかの中間生成物を経由し、それぞれの中間生成物の分解にはそれぞれの反応速度があります。このため廃水処理における原水のように多様なBOD成分を含む場合には反応過程が複雑に重複するため、BOD成分と1対1に特定できにくいが、廃液がメタノールのような単純な物質の集合体の場合は、各成分毎の分解速度に対応した階段状の分解曲線となり、容易にBOD成分と1対1に特定できます。
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曝気過程でBODactが変化する場合には(1)式は簡単には積分できないが、BOD成分が殆ど0mg/lの混合液の場合、(1)式のBODactは殆ど0となり(1)式は以下のようになります。
ASactは前述のごとく概ねDO>0.5mg/lではDOに無関係に一定であるから概ねDO>0.5mg/lの範囲で(2)式は容易に積分でき(3)式で表されます。
DO=α−(α−DO0)exp(−KLa・t)    (3)式
但しα=DOsat−ASact/KLa
DO0は曝気を開始したときの初期値です。また(3)式は曝気経過時間tが十分な大きさになれば右辺第2項は無視できるから
DO=α=DOsat−ASact/KLa     (4)式
の値で一定となり、この値をDOhfで表せば、DOhfはBOD成分が殆ど0mg/lの混合液を曝気した場合、最終的に到達するDO値と定義でき、(4)式は
DO=DOhf−(DOhf−DO0)exp(−KLa・t)  (5)式
と書き直せます。(5)式によるDOの変化は図1-1の1の点線に示すような曲線となります。

                        図1-1:
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一方混合液中にBOD成分が存在する場合、BODactは無視できない値をもち、さらにBODactの値は主として分解対象のBOD成分が変わるため、曝気経過時間tとともに大きな値から小さな値へ変化し、最終的に分解できるBOD成分がなくなればBODactはほとんど0になる変化をします。このため(1)式は単純に(5)式のように積分できませんが、DOの変化は図1-1の2の実線の曲線で示すような曲線となります。この曲線はメタノールのような単純なBOD成分の場合には、分解中はDOは酸素供給速度とASact+BODactの酸素消費速度でバランスする低いレベルで一定となり、分解が終了すると、速やかにhighfinalDOで一定となる図1-1の2の実線のような2段曲線となります。
今、曝気を開始したときのDOの初期値DO0を同じとし、混合液中のBOD成分が殆ど0mg/lの混合液を曝気したときの(5)式で表されるDO変化曲線を図1-1の1の点線で表し、混合液中のBOD成分が存在する場合の混合液を曝気した場合のDO変化曲線を図1-1の2の実線で表した場合、各曝気経過時間における、点線と実線の値の差は(1)式(2)式からその時点における、BODを分解するに使用される酸素消費速度による差を表し、この差を曝気経過時間tで積分した値は両曲線で囲まれた面積Sに相当し、この値にKabsを掛けた値は微生物がBOD成分を分解するために使用する酸素量に相当します。この値はJIS法で定められたBODの測定法とは異なりますが、微生物が分解するに要する酸素量を測定するというBODの測定原理そのものは同じでです。JIS法のBOD測定法は5日間という長時間を要しますが、本測定法はすでに十分馴養された汚泥を使用し、且つ数千mg/lという高濃度の汚泥を使用するため数10分程度の短時間でJIS法のBODときわめて相関性の高い値が測定可能です。3StepDO解析法で測定したBODを「測定BOD」(BODTSと表記)と称します。
また図1-1の1の点線と2の実線の乖離幅×KLaは微生物が混合液中のBOD成分を分解する酸素消費速度に相当します。3StepDO解析法では基準液の酸素消費速度を「汚泥活性度」と称し、微生物の健康状態を表す指標とします。
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